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サジノスケ「1、2、3、4、5……6、7」
他の四人は何も聞こえないが、嫌な予感がした。彼が数えているのは、恐らく足音か近くで感じる魔力だろう。
敵との遭遇の可能性が近いことに、全員は表情を強ばらせる。
サジノスケ「おかしい」
リング「何が? ねぇ、さっきの数って足音か何か?」
サジノスケは頷く。あぁやっぱりそうかとリングは落胆し、緊張が強まる。
サジノスケ「だけど、どうも変なんだ。俺達五人以外の足音は何かこう、やけに軽い感じがする。動物の物では無さそうな、とにかく変なんだ。一体何なんだ?」
ウラ「サジノスケ、音はどこから聞こえるの?」
サジノスケ「後ろから。始めは遠かったけど、どんどん近づいてきてる」
五人は耳を澄ませながら、先に進む。背後からの敵の奇襲に備え、隊列を変えた。前方に近距離戦が得意な美里とシイ、後方に遠距離戦が得意なリングとウラ、間に五感の優れたサジノスケを置いた。
近づいてきている二つの軽い音は何なのか。人でも、動物でもない何か。五人は考えていた。
段々、サジノスケ以外の四人にもカサカサと二つの近づいてくる音が聞き取れた。
リング「ついて来てるね」
ウラ「もう、こうなったら、先手必勝よ」
ウラはリングに目と手で攻撃の合図をした。リングは頷く。
リング「リング・リング!」
リングは素早く振り返り、両手を後ろへ向けた。多数の光る輪は見える限りの後方に向けて発射された。だが、あまり手応えがない。
何かに当たったような音は特にせず、敵の足音も聞こえない。むしろ、攻撃したことで周囲は静まった。
リング「当たったのかな…? 何も聞こえない」
五人は引き続き、緊張状態でこの場を後にし、再び同じ隊列で歩く。
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