43.騎士の愛とスイーツの恋 ※

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 ジードが互いに強く絡めあった指をシーツに押し付けて、抽挿をはじめた。次第に激しくなって快感が電流のように背中を走っていく。水音が立ち、引き抜いては奥へと突き上げられる。 「やあっ! ああああああ――――!」  最奥を突きあげられた瞬間に目の前が白くなって、がくがくと震えた。熱いものが中に叩きつけられる。今まで感じたことがないほど熱いうねりが体の奥に流れ込み、快感と魔力の両方がゆっくりと渦を巻く。胎の奥に受け取めたものが、ゆっくりと俺の中に沁み渡っていく。  ジードは俺の中から自分の剛直を抜こうとはしなかった。細かな震えがおさまらない俺に、何度もキスを繰り返す。互いに離れるのを惜しむかのように肉襞もジードに縋りついたままだ。俺は震える手を伸ばして、ジードの髪に触れ、頬に触れた。長い睫毛が揺れて、碧の瞳が俺を見る。 「二度と離れない」 「……うん」  蕩けるように微笑んで俺を抱きしめるジードが、何度も耳元で囁いた。  ――愛してる、俺のユウ。  俺の騎士。異世界で見つけた俺の恋。  その優しい言葉を聞いているうちに体の力が抜けて、いつの間にか眠ってしまった。  俺たちが目覚めたのは、朝の光どころか、陽が空高く昇ってからだった。  目覚めた時には体はさらりと綺麗になっていたけれど、服は何も着ていなかった。俺を抱きかかえたまま、ジードは目を閉じている。 「……ジード、おはよ」  小さな声で言えば、キスが返ってきた。いつから起きてたの、と聞くと少し前からと答える。 「ユウが起きるのを待っていた。寝起きの可愛い顔を見たら、見せたいものがあるから」 「何?」 「この屋敷は一階に、広い厨房がある」  ジードの言葉に目が丸くなった。 「厨房……」 「ユウを迎えに行こうと決めてから、考えたんだ。今までは年に半分も王都にはいないから、騎士団の寮で十分だった。でも、ユウには作りたいものがあるだろう? レトやスフェンに聞いて、広い厨房のある屋敷を探していたら、ちょうど王宮に近いここが売りに出た」 「……家まで買って、俺がこっちに戻らなかったら、どうするつもりだったんだよ?」 「戻らないことなんか、考えなかった」  ジードが俺の手をぎゅっと握った。
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