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わたしがその掲載誌を読んでいたとき、隣でお茶を飲んでいた宗太さんが
「あの記事書いたの、湊なんだよ」と教えてくれた。
「えっ、そうだったんですか」
「彼は作家志望なんだよ。うちに就職したのも、企業を舞台にした小説を書くためらしいよ」
うーん、やっぱり意外性の塊だ、湊さんは。
「そのうち、今回の記事を小説に練り直して新人賞に応募するって。いいネタ提供してくれたって、エリカにも感謝してた」
「そんな。今度、湊さんをお招きしてください。いろいろご尽力していただいたお礼に、ご馳走をふるまいますから」
「ああ、きっと喜ぶよ」
そして後日、はじめてプライベートでお話しした湊さんはよく食べ、よく飲む、とても気さくな人で、またまた意外性に驚かされた。
人は見かけで判断してはいけないということも、今回学んだことのひとつだ。
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