04 少女の導き

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「俺の助手を、大切な仕事仲間を悪いおじさん扱いか?てめえどんな立場からものを言ってんだ?やっつけるじゃねぇんだよ。もしそんなことしやがったら俺が一生を掛けててめえをぶっ潰してやる。それに街から出してもらう必要なんかねぇよ。俺はダンベルと一緒にこの街から出る。てめえの力なんか必要ねぇ」 「え、ええ…?」 クソガキから面と向かってそう言われて、流石のキョーマも動揺していた。 俺もまさかキョーマからの救いの手をはじくとは思わなかった。 このガキ…。 「それは君の意志なのか?あの男が怖くてそう言うしかないのではなく」 「俺の意志だ。誰の指図も思惑もない。分かったら失せろ。俺の仲間を悪く言う奴の面なんざ見たくないね」 クソガキはキョーマの目をまっすぐ見て、ふざけた面に合わねぇ真顔でそう答えた。 ガキの意外な反応が想像より効いているのかキョーマの目が今まで見たこともねぇぐれえ泳いでやがった。 心なしか呼吸も荒くなっている。 どんだけ効いてんだよ。 キョーマのさまよう目が俺の方に向けられる。 その目には憎悪の火がついていた。 なぜ俺がそんなもん向けられなきゃならねぇんだ。 拒んだのはクソガキだろうか。 「随分気に入られているみたいだな。あんた」 「そうみてえだな。うざってえぜ全く」 キョーマは一瞬何かを言おうとしたが、それを押し殺して俺に言う。 その声は少し震えていた。 「クレイちゃんはまだ小さい。あんたにこの子が守れるのか?」 「へっ!余計なお世話だ。利用できるうちは生かしてやる」 腰を上げたキョーマが金髪の小娘の手をとった。 「俺はこれからこの街で囚われている奴隷たちを解放する。あんたは生きてクレイちゃんと一緒に街から出ろ。もし彼女に何かあったら俺はあんたを許さない」 そう言い残してキョーマは小娘と一緒に去っていった。 しばらく取り残されたクソガキと俺の間に沈黙が生まれる。 なんだよこの微妙な空気は。 黙っていられるほど時間もねぇだろ。 ガキのところまで歩いて声を掛ける。 「歩けるだろクソガキ。行くぞ」 「…ああ。行こう」 俺とクソガキは横並びで歩き出す。 目指しているのは城下町西の闇市。 クソガキの予想ではその近くに商人どもの抜け道がある。 「手に入ったのは金貨3枚と銀貨5枚だ。足りると思うか?」 「…十分だ」 普段減らず口の絶えねぇクソガキがほとんど喋らねぇ。 酒場て見たときよりはましになってるが、今でも湿気た面をしてやがる。 調子が狂うぜ。
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