赤に染まった駄作でも

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 僕という存在を熟語で表すならそれは「駄作」だと思う。  よく物語だと無気力な人が大切な存在に出会って、喜怒哀楽を取り戻していく。それがテンプレートで面白いからだ。  僕はそのレールから外れた、物語なら最高級の失敗作だった。好きな人も友達も大切な人も趣味も何も無い。神様もここまで人間としての機能が削がれた存在は想定していないだろう。  僕はあの映画を馬鹿にしていたけど、僕の人生の方が駄作だから、見下されるのは本来僕の方なのだ。あの映画が擬人化して僕の前に現れたら、大きな口を開いて爆笑するだろう。「まさか僕以上がいるなんて!」って。  そんな退廃的な生活が、僕の全てだった。
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