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長い抱擁が終わり、彼の顔をうっとりと見つめた。
鼓動は速いのに気持ちはフワフワしている。
現実を確かめたくて思いっきり彼を抱きしめた。
ずっと心の奥に閉じ込めていた彼への愛しさ。
それが体全体に満ち、失いたくない想いが湧き上がり腕に力が入ってしまう。
彼の胸に顔を埋めた。
悦びと安堵の感情が広がり、上体が小刻みに震えた。
彼が私の背中を優しく摩った。
しばらくして微かにフフと聞こえた。
「ここで決め台詞を……」
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