第13章:新しい生活

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そ、そんなことあっていいの……。 花村さんが詐欺に遭ったのは、相馬さんが仕向けていたことだったなんて。 「だったら相馬さんに言ってお金を取り返してもらいましょうよ」 私が伝えると、花村さんは言った。 「無駄よ。そんなことしてももみ消されるだけだわ。相馬家は圧倒的な資産を持ってる。全てお金で解決をし、自分たちのしたことをもみ消してるのよ」 ウソ、でしょ……。 声にならなかった。 人を蹴落としイジメるだけでなく、もみ消しもしているなんて……。 このマンション、思ったよりもずっと歪だ。 「花村さんはどうしてこれを私に……?」 「仮は返す主義だから」 「花村さんは、相馬さんのこと慕っていたんじゃないですか?」 「慕っていた?冗談じゃないわ。私は人生を上手く生き抜いていこうとしていただけよ」 そう、だったんだ……。 結局ママ友なんて言葉だけで、誰一人お互いを信頼していなかったんだな。
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