55人が本棚に入れています
本棚に追加
/359ページ
そ、そんなことあっていいの……。
花村さんが詐欺に遭ったのは、相馬さんが仕向けていたことだったなんて。
「だったら相馬さんに言ってお金を取り返してもらいましょうよ」
私が伝えると、花村さんは言った。
「無駄よ。そんなことしてももみ消されるだけだわ。相馬家は圧倒的な資産を持ってる。全てお金で解決をし、自分たちのしたことをもみ消してるのよ」
ウソ、でしょ……。
声にならなかった。
人を蹴落としイジメるだけでなく、もみ消しもしているなんて……。
このマンション、思ったよりもずっと歪だ。
「花村さんはどうしてこれを私に……?」
「仮は返す主義だから」
「花村さんは、相馬さんのこと慕っていたんじゃないですか?」
「慕っていた?冗談じゃないわ。私は人生を上手く生き抜いていこうとしていただけよ」
そう、だったんだ……。
結局ママ友なんて言葉だけで、誰一人お互いを信頼していなかったんだな。
最初のコメントを投稿しよう!