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新しいマンション②
『海音、マンション気に入ってくれた?』
「うん、僕気に入ったよ」
『加賀美さんはどう?』
「あのー凄くいいとは思いますけど、ちょっと俺には無理です」
『何が無理なのかしら?』
「家賃どれくらいか聞くのも怖いです」
『何言ってるの?このマンションは私と主人から息子とあなたへのお祝いよ』
「エッ お祝いって・・・・・」
『だって、海音に一生一緒にいたいって人が現れたんですもの、住む場所ぐらいプレゼントしたいじゃない』
「そんなープレゼントって・・・・・時計やネクタイじゃないんですから・・・・・」
『そんなこと言って加賀美さんは海音と一生居る気ないの?』
「ありますよ、絶対別れませんから」
『だったらいいじゃない、プレゼント受け取って』
「そんな、決めるの早すぎです。マンションですよ、トマトやキャベツ買うのと違うんですから・・・・・」
『私は即断即決がモットーなの、もう支払いも済ませてあるから気にしないで』
「はーい ママありがとう」
結局このマンションの販売価格がいくらなのかも知らないまま、引っ越しは終わった。
終わってみれば快適さは半端なく、事務所はもちろんスーパーは隣のビルの一階、駅はすぐ目の前と言う最高の優良物件だった。
海音は4年になってバイトをやめた、将来は俺と一緒に働きたいと弁護士になる決心をした、そのためにはまず法科大学院へ入学する必要がある、そして法科大学院を修了すると、新司法試験の受験資格と「法務博士(専門職)」の専門職学位が与えられる。
まだまだ先は長いが俺たち二人の暮らしは今始まったばかり・・・・これから先何があっても俺と海音が離れることはない・・・・
いつか海音が弁護士になり俺と一緒に仕事をする日を楽しみに明るい未来は必ず来ると信じて・・・・・
お読みいただいてありがとうございました。
完
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