第2話 ユラシルのリベンジ Version‐Final

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「回れッ!!」 「っっ!!」 セインの言葉の意図を瞬時に理解したシェリムはセインと同じく手にぶつかる直前に高速回転。 「【神愈威】!!!」 「【巡り裂き】ッ!!!」 ギュバウッッ!!!と円を描く黒い線が弾け、セインとシェリムは自分の技で吹き飛ばされるも『終局』に握り潰される結末は免れた。 「攻撃の手を緩めてはいけませんよみなさんッ!!」 真紅に煌めく瞳から残光を引き連れアリッシュが『終局』の背後から巨大な炎刃を叩き込ませ、マリーラとネイフィーも続く。 「レビック、今こそお前のあの力が必要だ」 「わかっていますリュードさん。ユラシルくんたちが戦っている間に準備していました、だから───」 ズバゥッッ!!!と、レビックの肉体から噴き出した光が瞬く間にエメラルドグリーンに輝く鎧を形成。 「───行けます!」 『終局』の力を百パーセント引き出し身に纏うレビックの最強形態【終幕騎士(クリアエンド・ナイト)】を発動して見せ、漆黒の鎧を纏うリュードは頷く。 「今だけは"真のお前"を解き放て。この戦いだけは負けられん、ある物全てを注ぎ込み、奴を殺すぞッ!」 「ッ……、はい…!」 レビックが駆ける。リュードが『絶廻』レヴァンゼイスを振りかぶり、見据える先に誰もいないタイミングを見計らって【位相切り】を放つ。 放ち切る直前、『終局』が過敏に動きレヴァンゼイスの斜線上から外れた。レヴァンゼイスの生みの親である『ワールド・ガーディアン』を取り込んだことで察知出来たのだろうが、今の一振りでリュードは連発が可能であることを知る。 けれど迂闊には連発しない。ガス欠になってしまうようなヘマはせず、確実性を高めて放つことにする。
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