第2話 ユラシルのリベンジ Version‐Final

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「ギハッ!!カーッハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ!!!」 マリーラよりの殺戮衝動よりも異常で、シェリムも高純度の殺気よりも異質なレビック・ハインバイスの本性は騎士が有していていい物では断じてない。 でも今だけは止めない。本性に全てを預け、血を撒き散らしながら高々と笑うレビックの滅茶苦茶な暴虐が『終局』を襲い、皮肉にも『終局』の力によって切り裂かれていく。 頭上に舞い上がったレビックへ左拳を真っ直ぐ突き上げ、ギリギリでかわしたレビックは手首に長剣を刺し、そのまま一直線に引き裂きながら降下。ギャギャギャギャギャッッ!!!と甲高い音と閃光を発し、脇辺りを蹴って離脱。 振り払うようにして裂けた左腕が振るわれた。暴風を振り撒く掌を下に移動し、しかしそれだけでは足りず上体を後ろに仰け反って回避しようとするも接触。胸元の鎧を割り左頬肉と耳を削ぎ落とされる。 「ギッッあァアあハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!!!」 奥歯まで剥き出しになってもなおレビックは笑い、続けて振り下ろされる右拳に自分から突っ込んでいった。 「───【快倒嵐間(かいとうらんま)】ッ!!!」 ズギャアアッッ!!!と『終局』の右腕に真横から激突し、幻の刃が巨腕を両断。寸でのところでレビックの正面から外れた右拳をつい見送ってしまったレビックの耳に、遠い子孫が語りかける。 「自分を支配出来ないんじゃどんだけいっても二流だぜ、ハンサム兄ちゃん」 シービスだ。彼はレビックの前に、その背を見せながら口を動かす。 「感情も本能もお前さん自身のモンだ、そいつを支配出来なくて丸投げするようじゃあ今より強くなれねえ。俺もそうだったからよぉ~くわかるぜ」 「ハァッ…ハァッ…ハァッ…」
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