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数の多い弱いモノは祓わないとな、と考えた。
個室の目隠しになる布を下ろしバニラとココナッツの匂いをスプレーで吹き付ける。
単純なことだけど案外効果はある。
霊は、というか肉体を持たないモノは性的な欲求を喚起させる匂いが嫌いだから。
「…いい香り」
「アジアっぽいね」
「ココナッツ？」
匂いが充満したら黒いモヤは晴れた。
すぐ横の男の姿もようやくお目見え。
ネコ顔に金髪に近いトップに後は刈り上げの
“いかにもチャラそう”な大学生くらいの男の子だった。
(ぅわっ・・・・お馬鹿っぽいわね)
正直、人種的に苦手なタイプ。
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