プロローグ

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プロローグ

美しい人だった。 少し長い前髪と眼鏡に邪魔をされて、いつも密やかな表情を浮かべていたから、誰もそのことには気づいていなかったけれど。 図書室で本を読んで、背後の窓から昼の光を浴びている姿はまるで映画のワンシーンのようだった。 そんな美しい人だった。 そう、美しい人だったのだ。彼は。
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