第4章 美織と美野里

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第4章 美織と美野里

カーテンからの日差しで、瞳を開けると、私は慌てて起き上がった。 見れば寝室の時計は、七時を過ぎていて、今から用意しても、完全に遅刻だ。 「美織、起きた?」 雪斗が、寝室扉から顔を出すと、スマホを振った。 「大丈夫だよ、会社には、体調不良で俺も美織も午前休の連絡、益川部長に連絡したから」 「えっと……」 「ま、所謂サボり?高校ん時以来かも。って美織は、サボりなんかしたことないか」 雪斗が、ベッドサイドで、私を見下ろしながら、悪戯っ子みたいに、にんまり笑う。 「初めて……サボっちゃった」 「だろうな」 雪斗は、ケラケラ笑うと、口元の絆創膏を剥がしながら、ベッドサイドに腰かけた。 雪斗の唇の端は、目立つほどではないが、まだ切れて赤くになっている。
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