貧乏人はバカになる？

ディベートショー

「まぁ、たしかにそこは想像だと認めよう、でもね、お金があった方が圧倒的に解決できる事の方が多いのは確かですよね？」

「病気になった時などですか？」

「そうだね。まさに病気になったらお金のあるなしが大きく関わってくるよね？」

「癌の早期発見とかですか？」

「まぁ、それもあるよ、お金が有れば毎年がん検診を受けることも出来るし早期治療も出来るからね」

「その行為が癌になりやすくなってるとしてもですか？」

「、、、はい？」

「最近の研究ではその早期発見の為に受けるCTスキャンによって放射線を浴びる事が発癌の一因になっているらしいんですよ」

「らしい？まだ確定してない情報じゃないか」

「確定してから考えを改めるんですか？お金持ちは頭が良いのではなかったんですか？その程度の先見の明もない人々を頭が良いと言うんですか？」

「、、、最先端の医学で検証中の事は流石にどんなに頭が良くてもわからないとしか言えないなぁ」

「放射線は健康診断のX線撮影くらいなら大丈夫ですが、CTスキャンは確実に発癌リスクがあるとの事ですよ、バスで往診するタイプのX線も少し危険だと言われてます」

「、、とは言え早期発見されれば治る確率は高い訳だから問題はないよね」

「それが問題おおありです」

「治るのになにが問題なんだ？」

「癌にはほっといても治る癌、治らずとも死ぬまで痛まない癌などがあって、悪性の癌との違いは今だに専門家ですら見分けがつかないのですよ」

「、、だから？」

「それらの悪性ではない癌は抗がん剤で全て除去できれば問題ないと言えますが少しでも残ると悪性の癌に変容する場合があるんです、つまり、癌検診と早期治療によって悪性の癌を創り上げてる事になる」

「そんなバカな」

「確かに馬鹿げてますよね、とても頭の良い人のやる事じゃない」

「それがもしも本当だとしても誰でも現代医学の最先端以上の事はわからない、それはお金持ちとかなんとかの問題じゃないよ」

「結局その程度」

「は？」

「結局はその程度の頭の良さでしたら五十歩百歩ですよ、むしろない方が良かったくらい。事実、お金があった所為で毎年CT検査を受けてそのせいで発癌して更に早期治療の名目で悪化する事まで予見できるほど、頭がよければ良かったのに！」

そこまで言うとナナシはため息を付いた。

「そんなのはごく一部の話だろう、全体的な医療でみたり健康で考えたらやっぱり金持ちの方が助かるのは間違いない」

ユキヒロはそう反論した。