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来訪者
「こんにちはぁ」
ヤケに明るい男の声で誰かがドアの前から呼んでいる。
ピンポーン
「こんにちは〜いらっしゃらないですか〜?少しだけお話しできませんか〜?」
チャイムの後になんとも間延びした声でそう呼びかける男の声になんとなく嫌な予感がした。
なんだろう?
宗教?
訪問販売?
いやいずれにしてもなんとなく直感で出れば嫌な事が起こる様な気がしていた。
ピーンポーン
「す〜み〜ま〜せ〜ん」
流石にちょっとしつこいなぁと感じて「警察呼びますよ」と言おうか思案しているとまるでそれを察したかの様に続けて声が聞こえた。
「警察で〜す」
僕はモゾモゾと奥の部屋から出てくるとのぞき穴から外を覗った。
たしかに警察官の様だ。
どうしようかと少しだけ迷った。
でも何かの事件だとしたら居留守を使うのはかなり心証が悪くなる。
僕はため息をついた後に出来るだけ明るい声で言った。
「はい、今開けます」
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