プロローグ

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プロローグ

 たぶん俺は夢を見ていた。  いわゆる白昼夢、というやつ。  夢の中に出てきたのは俺と、もう一人。 「なんで?」  そいつはそう言っていたと思う。 「思う」というあやふやな言い方しかできないのは夢とはいえ、俺にはちゃんと聞いている余裕がなかったからだ。  でもそいつだってまともに話している余裕はなかったはずだ。  ちょこまか動き回って忙しそうだったし、俺と目が合っていたのかさえわからない。  でもそうなるのも仕方がない。  だってそいつの後ろには化け物がいたんだから。
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