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哉有の頭の中はぐちゃぐちゃだ。
「……送るか?」
ハンズアップでそーっと哉有に声をかけた天笠をぐ、と上目遣いに見上げ、
「いい。美咲さんが来るって言ってた!」
「あ、そ……」
天笠がぬるく笑った。
「やーちゃん?」
哉有が顔を顰めて頭を押さえた。
「……頭、痛い……」
「やあ坊?」
頭を押さえていた哉有が、ずる、とテーブルに崩れた。
「哉有!」
天笠が立ち上がった。
古道も立ち上がり、山王と一緒に哉有の荷物を持ち上げた。
「とりあえず保健室…管理センターあっち!」
「……薬、だめ……み、さき……」
酷い頭痛と、吐き気がする。
「哉有?何て?おい!」
天笠が哉有を抱き上げ、耳を哉有の唇に近づけた。
「……頭……が……」
「やあ坊!」
頭、いたい。
も、指も動かせない。
「痛、い……」
哉有の意識が遠のいた。
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