胡麻カクイチ 18歳

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胡麻カクイチ 18歳

「はぁ、はぁ、はぁ……」  カクイチは一目散に、山の中へ山の中へと入っていく。樹々の合間を縫うように走り、今のカクイチにゴールなどなかった。顔や瞼は真っ赤に腫れあがり、唇は切れ、前歯は折れてシャツは自らの血で赤く染まった。左腕の龍のタトゥーも赤く濁っているようにみえた。  コトの発端は、カクイチが詐欺の仕事で独居のばあさんのところに取り立てに行ってたことが始まりだった。  
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