好き

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私はカワイイのが好き。 カワイイが、私は大好き。 だから、自分を可愛くするために、色んな工夫をした。 髪をのばした。背中が隠れるようになったし、なんなら腰に届きそうなくらいだ。 そんなに長いから、髪で色んなアレンジをするのは楽しかった。 髪を纏めるための髪ゴムは、シンプルな黒いゴムだけど、その上から白や水色、ピンクのリボンで可愛い装飾にした。 もちろん、普通の装飾付きゴムも使った。 お母さんが普通の髪ゴムに、ハロウィンの時はカボチャの装飾を、クリスマスの時は、クリスマスっぽい緑と赤の生地で苺っぽい装飾をつけてくれた。 お母さんは色んな可愛いものが作れて、本当に凄いって思った。 服はスカートやワンピースばかり買った。 スカートで組み合わせた服は、いつも可愛いって思っていた。 大人っぽいのもあったけど、可愛いものばかりあった。 部屋も当然可愛い。カーテンはピンクがベースだけど苺もある。 子供の時からあるおもちゃのドレッサーも、小さいテーブルも苺。 苺が好きというより、苺が可愛いから好き。 棚はシンプルだからちょっと悩む。 でも、基本白だから、可愛いを崩さない。 部屋のベッドはシンプルっぽいけど、でも、よくアニメのお嬢様みたいな人が使いそうな、作りが少しある。 結局白だからイイ。 靴は黒ばっかりだけど、運動靴は濃いピンクの紐。スニーカーは黒と白だけど、キラキラしたラインもあってイイ。 人の絵も、例えば私が使ってるアイコンとかは、可愛い服を想像しながら描いてる。 そして、私の描く人の絵は基本どこかに「カワイイ」があったりする。 更に言えば、「カワイイ!」って思う絵が多かったりする。 「この服カワイイ〜!」 「何この純粋な顔ー!カワイイ〜!」 「この髪型、シンプルなのに描いたらカワイイじゃん!」 「カワイイキャラにカワイイ背景つけれた!あーカワイイー!」 「ホラーっぽくしたのに、むしろカワイー!」 実際に起きたことを絵に描き表したりしても、結局可愛いって思う。 「あれ?こんな可愛い顔してたっけ?w」 「え、今更だけどこの色合いめちゃくちゃ可愛いじゃん!」 「この照れた顔・・・めちゃくちゃカワイイ〜!」 「私の服なんだけど、やっぱりカワイイー!」 「この髪型作った人天才!? カワイイじゃん!」 凄く、嬉しかった。本当に、満たされてた。 どんどん、可愛いのが好きになっていった。 アニメでは、カワイイと思った髪型はすぐに挑戦して、その髪型が出来たら、影響を受けて真似したりする。 でも、そんなある日。 髪型だけじゃなく、気付いたら口調も、仕草も、アニメの好きなキャラやよく見るキャラに影響されつつあったことに、ようやく気付いた。 それで、更には周りのことにも気付いた。
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