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【赤】1話
ホテルの一室
サイドテーブルに手を伸ばし箱から出した煙草を口に咥え火をつけようとすると横から手が伸びてきた。
「体に悪い」
眉間に皺を寄せた彼女、綾瀬 日菜に煙草を奪われそのまま握りつぶされ使い物にされなくなってしまった。
貴重な一本が‥‥煙草も安くないのに
「なに日菜さ‥っ」
強い力で腕を引っ張られ気がつけばホテルの天井と整った彼女の顔が見えベッドサイドからふかふかのマットレスに引き戻されたのだと分かった。
長い髪を耳にかけ不敵な笑みを浮かべ色気が増す彼女に少しばかり胸が高鳴るのを感じた。
「まだお口が寂しいなら甘やかしてあげるわよ」
着ていたはずのガウンが、はだけ露わになる大きな胸。この豊かな胸を嫌う人などいないと思う。
唇に触れる柔らかい感触。熱が篭った唇。少しずつ深いものにされ唇の隙間から声が漏れる。
「‥んっ‥」
首筋を指で撫でられ身体がビクッと反応する。反応に満足したのか日菜さんが少し笑ったような気がした。ゆっくりと鎖骨、胸へと指を這わされ着ていたダウンがはだけていく。
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