巡査長 加賀見圭介の事件簿

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あの自転車、俺のだ! たまたま通りがかったアパートの駐輪場に、盗まれた俺の自転車を発見した。 近づいて確認する。 鍵のところは壊されていた。 一週間もの間、このアパートの知らないやつが勝手に俺の自転車を使っていたというわけか…… 俺は、アパートの窓を睨んだ。 どの部屋のやつだ、俺の自転車を盗んだのは!! でも、とりあえずは見つかってよかった。 俺は自分の自転車に乗って、家に帰ることにした。 「そこの自転車、停まってください!」 いきなり、警察官に制止させられた。 鍵の壊れた自転車に乗っているので、職務質問されるのも仕方ないだろう。 「すみません、最近、自転車泥棒が多いので、確認させてもらっていいですか?」 「これ、俺の自転車ですけど……」 「防犯登録、なさっていますか?」 「……いえ……」 知人から譲ってもらった古い自転車だ。 俺の名前では登録していないし、そもそも、古いので登録の期限は切れている。 「今、そのアパートから出てきましたけど、そちらにお住まいですか?」 「いいえ。この自転車、俺のなんですけど、盗まれていたんです。鍵を見てください」 俺は、壊された鍵を見せる。 この自転車が盗まれたものであることは一目瞭然であろう。 俺は説明を続けた。 「で、さっき、このアパートで自転車を見つけたんです」 「盗んだ犯人とは会いましたか?」 「いいえ、会っていません。そこの駐輪場に置いてあったので取り返しました」 警察官は、訝しい表情になった。 「キミ、」 「は?!」
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