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夏休みの思い出
ここは丸罰小学校。今日は一年生の授業参観日。三時間目、夏休みの出来事を作文にした発表会がある。窓から覗くと保護者がぞろぞろと校舎に入っていき、普段と違う雰囲気にみんなどこかソワソワしていた。
既に後ろには戸田くんのお母さん、大庭さんのお母さん、堀口さんのお母さん、進藤くんのお母さん、巴くんのお父さんも来ている。
「うちのお母さん、まだかなぁー」
「ユウちゃんちもママが来るの?」
「うん、そうだよ。あ、ママだ。ママぁ〜!」
後ろで母親が、ニコニコしながら高速で手を振っている。やがてチャイムが鳴ると、先生がいつも通り教壇に立った。
「あれれ? 何かいつもと違うねぇ。今日は教室に人がいっぱいいるよ。後ろ見てごらん?」
すると児童は一切に後ろを振り向き、誰のお母さんお父さんかを確認した。
「あ、あれ。まひるんちのお母さんだ!」
いきなり名指しされたお母さんは、恥ずかしそうに笑っている。戸次ユウタは、前の席からママにこっそり小さく手を振った。
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