認めたくない

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それでも私をエスコートすることは忘れず、手を差し伸べられその手を取ると自分の腕に絡める。 見送りをされエレベーターホールに向かうと、いつのまにか雨が降り出したようで霞がかかったような景色が広がっていた。 「雨……」 そう呟いた私はその景色を見ていたせいで、エレベーターが上下どちらに向かっているか見ていなかった。 乗り込んだ瞬間、上昇したのを感じて私は秋久を見た。 「え? どこに行くの?」 「もう少し付き合え。ここからは仕事だとは思うな」 「でも……」 どこに付き合うというのだ。ここから上はバーそして客室ということは私でも知っている。 アルコールはもう飲まないと伝えた。それでも行く場所……。 一緒に住んで一緒のベッドに眠っているが、またホテルに宿泊するとなれば意味が違う。 「ねえ、秋久!」
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