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想像以上
「ほれ、ついた。ここだよ。秘密基地」たかしが自慢げに、ふふんと鼻を鳴らして言った。
「わぁ…!すごい!…でも、やっぱ君たちのってなると、想像以上に汚いね。」
岡田も、とても楽しそうな表情をしていた。学校では絶対見せない、満面の笑みをしていた。一言多くてイラっとしたが、それよりも、見たことのない表情に僕たちはびっくりしていた。
そんな岡田を見ていると、僕も嬉しくなってくる。
「一言多いな…まぁ、とりあえず中入れよ!歓迎くらいはしてやるぜ」
たかしが、さわやかスマイルで言った。やっぱりイケメンはイケメンだ。
全員が秘密基地の中に入った。一瞬だが沈黙の間が流れ、気まずい雰囲気になった。
「なぁ、みんな。将来の夢ってある?」と、田中が全員に聞いた。
「俺は男優!」と、たかし。
「僕は医者になれって、お母さんに言われたから医者になる。」岡田が言った。
「は?お前、自分がなりたいものとかないのかよ。」たかしが聞いた。
お母さんに言われたからって…それは、押し付けられているように感じた。
「うーん…よくわからないけど、小説家とかなってみたいかも。」
「小説家かぁ、俺には絶っっ対無理だな」田中が笑った。岡田も、呆れたような笑顔で返した。
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