40. 鬼退治ヌイアティア攻防戦線 後編

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「はあ、守。ほんまお前はデリバリーがないな~~ええか。エルジュより強いって言い方はあかん。どっちかっていうと、環境条件が悪いって言った方が正しい。あの赤鬼は属性が土や、地に足を付けとる限り無限に自然エネルギーを吸収し放題や。なおかつ地底奥深くから吸収したマグマを放出し放題っていうごっつう面倒な相手なわけや」 「うわっ、マジかよ、やばいじゃん」 (っていうか、デリバリーじゃなくてデリカシーだろ刻宗!?)  正直この異世界の星がどのくらいの大きさなのかは分からないけど、もし地球規模と考えたとしても、物凄いやばいってのはお馬鹿な俺でも分かる。  ある意味自然災害級のモンスターって奴じゃないの!?  確かセシルの話で出て来た夜闇雲海だっけか、あんなのと同じだとしたら、勝ち目とかないんじゃないの?  なんでじっちゃんが不在のこんな時に、タイミングがジーマ―でバイヤーだろ。 「ちょっと守? なにその姿勢は? 身体の方向が赤鬼と反対方向を向いてるんだけど(怒)」 やべ、怖さのあまり無意識に身体の方向が鬼と逆の方向に向いちまった。 「いや……そんなことはないでござんす」 「ござんす? 意味が分かんないんだけど……」 「あっ、いやそんなことないってばよ」 「てばよ? どこの言葉よ」 「忍者言葉で……す」 「はっ? そんなことよりもあんた手伝って」 「はいっ?」 「はい? じゃないわよ。ちょっと準備するから時間稼ぎしてって言ってんの」  !?  えっ、えっ!?  エルジュさん……何ですかその牙は……。  まさか彼女があんな姿に変身するなどとは、俺は想像もしていなかった。
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