10.心境の変化

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「確かに私は、千冬達の気持ち裏切ったけど……、それは私が勝手にそうしただけで愁は悪くない」 「……お前って、堅苦しい癖にチョロいな」 「……」 「裏切ったって自覚はあるんだ?」 「だって、……好きだって言ってくれてるのに、愁とそういうことしたんだから、……裏切ったことになるじゃないですか。だからごめ、」 言っていて、千冬の口角が上がってるのに気付いた。 湯船に浸かってるのに何故か全身に悪寒が流れて顔を上げれば、浴槽の縁で頬杖を付いた千冬が目を細めるように、王様のような笑みを浮かべている。 「裏切ったよな?お前。俺の気持ち」 「……?」 「裏切った自覚があるって事は、少なからず俺の事好きだと思ってる訳だ?」 「……」 とんでもなくネジ曲がった考えに行き着いてる…!!!! ……やっ、え!?? でも、…そうなるのか…? あまり考えずにポロポロご飯粒溢すみたいに喋ってたけど、確かに受け入れてない気持ちに対して裏切ったとは思わない。 告白は断ったし、付き合う気持ちは全くない。 それは伊澄に伝えた気持ちと全く変わらない。
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