264人が本棚に入れています
本棚に追加
/363ページ
「確かに私は、千冬達の気持ち裏切ったけど……、それは私が勝手にそうしただけで愁は悪くない」
「……お前って、堅苦しい癖にチョロいな」
「……」
「裏切ったって自覚はあるんだ?」
「だって、……好きだって言ってくれてるのに、愁とそういうことしたんだから、……裏切ったことになるじゃないですか。だからごめ、」
言っていて、千冬の口角が上がってるのに気付いた。
湯船に浸かってるのに何故か全身に悪寒が流れて顔を上げれば、浴槽の縁で頬杖を付いた千冬が目を細めるように、王様のような笑みを浮かべている。
「裏切ったよな?お前。俺の気持ち」
「……?」
「裏切った自覚があるって事は、少なからず俺の事好きだと思ってる訳だ?」
「……」
とんでもなくネジ曲がった考えに行き着いてる…!!!!
……やっ、え!??
でも、…そうなるのか…?
あまり考えずにポロポロご飯粒溢すみたいに喋ってたけど、確かに受け入れてない気持ちに対して裏切ったとは思わない。
告白は断ったし、付き合う気持ちは全くない。
それは伊澄に伝えた気持ちと全く変わらない。
最初のコメントを投稿しよう!