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寒い・・・また、寒い。 目を覚ましたマナは周りを見渡す・・・そこは円形の部屋で見上げるといくつかの窓があり、出入口らしきドアが一つあった。 更に、自分が全裸である事に気付き青ざめた顔で呟く。 「さっきのは夢?待って、なんでまた裸なの!?」 頭皮がスースーする・・・そう思いながら、マナは頭に手を当てる。 「無い・・・髪が無い!ハッ!?」 髪どころか全身の体毛が処理されている事に気づいたマナは、狼狽えながら周囲を見渡す。 視界に全裸で寝そべっている女性の姿が映った。 「あなた、大丈夫?」 声をかけたが、返事は無い。 近付いて顔を覗きこむ・・・それは、あまりにも自分に似ている女性だった。 顔、体型、ホクロの位置までも全く同じ・・・目の前で手を振ってみたが何の反応も無い。 まばたき、呼吸はしているし、脈もある。 生きてはいるが、で何の反応も示さない。 「何がどうなってるの・・・これは、さっきの悪夢の続き?」 ふと、自分と瓜二つの女性の手を見ると・・・爪が無い事に気づく。 すぐに自分の手を見ると、やはり爪が剥がされおりうっすらと血が滲んでいた。 「あ、足の爪も無い!まさか・・・下ごしらえされているの?さっきみたいに!?」 身体を震わせ、踞るマナ・・・その頃、この部屋の窓と繋がっている別室で白い作業服を着た若い白人男性が機械の操作を始めていた。 「ハンバーグ!!」 そう言いながら、操作をしている彼の名はマイケル・ディグラム。 やや長めの前髪をピンで留めた中性的な顔立ちをした美少年で歳は16歳。初対面だと、女性と間違えてしまうほど可愛らしい顔と華奢な体型をしている。 「うるさいよ、マイケル・・・さっさと終わらせて部屋に帰るぞ」 面倒くさそうな顔でマイケルに話しかけたのは、彼と同じくで働いているドレッドヘアの黒人女性ジュラ・ボブ。 身長はマイケルが162cmに対し10cmも高い172cmもあり、無駄な贅肉の無い引き締まった身体をしている。 「はいはい、じゃあ始めるね」 マイケルが操作を終えると、マナがいる部屋の床が動き始めた。 「な、なに?床が・・・傾いてるの?」 円形の床が傾き始め、中央に穴が広がっていく。 穴の中から、何かが激しく回転しているような機械音が鳴り響く。 「待って・・・嘘でしょ?この部屋、巨大なミキサーなの!?」 巨大な鋭い刃が高速で回転しているのが見え、マナは慌ててドアがある方へと走り出す。 「開かない・・・誰か、誰か!ここを開けて!」 手から血が出るくらいドアを叩いても、何の反応も無い。 床の傾斜はどんどん増していき、マナと瓜二つの女性が滑り落ちて穴に落ちた。 肉も骨も砕く音と共に噴水のように血が吹き出す。 「いやぁぁぁぁぁぁ!!」 爪が剥がされている為、踏ん張りが全く効かない・・・一心不乱に手足を動かすマナだったが、身体はズルズルと穴へと向かっていくばかり。 別室のジュラが、微かに聞こえたマナの叫び声に気付き窓からミキサールームを覗き込み青ざめた。 「ま、マイケル!食材が動いてる!は、早く機械を止めて!」 ジュラに言われて、慌てて急停止の操作を試みるマイケルだったが・・・間に合わなかった。 マナは穴へと落ち、絶叫しながらミンチとなった。 「・・・ヤバい」 震えるマイケルに、ジュラはすぐさま駆け寄り腕を掴む。 「逃げるよ、マイケル!この工場はモニタリングされてる・・・バレたら責任を取らされるぞ、料理人達みたいに!」 「せ、責任って・・・クビ?」 「知らないのか!?殺されるんだよ!あの、イカれた連中に!」 そう言いながら、マリーは部屋から出ようと自動ドアの前に立つ。 しかし、ドアは開かなかった。 「・・・マジか・・・モニタリングしてた奴らが緊急停止に気づいて映像をチェックしたのか?クソ!!」 ジュラはドアを蹴りつけるが、びくともしない。 「ジュラ・・・僕、死にたくないよ!?簡単な仕事だって、君が言ったから!」 「黙れよ・・・こうなったら、ヤるしかない。誰か入ってきたら殺す気でかかれ。強行突破する」
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