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「幸せと言えばあの2人も遂にね!」
「ようやくですよ」
このしんみりした空気を変えたかったカコナは手をパンッと叩くと、明るい声を出した。そして心より嬉しそうな笑顔を浮かべる。
「何年かかりました? 戻ってすぐにかと思いきやようやく来年です。クキツには意気地が無さすぎます。どれだけの助言をしたと思って……。全く本当に愛想を尽かなかったマト様には感謝してほしいですし、絶対に幸せにして差し上げて欲しいのです」
「ふふっ」
ん? と思ってみると「ごめんなさい」と楽しそうに言う。
「オライヴはクキツ殿のことも大切にしているのだと思ったら嬉しくなってしまってね」
「クキツはそう大切でもありません」
「それは嘘だわ」
照れたようなオライヴの右肩辺りをぽん、と叩き、玄関の戸を開く。
「カコナ! 遅いよ。キシュが気持ちよさそうに寝ちゃってる」
「ごめんなさい、準備に手間取ってしまって」
「ちちうえ~っ」
オライヴから早々と降りるとオランへ駆け寄る。駆け寄って来るジロを両腕で受け止めたかと思うと、くるくると回り、むぎゅっと抱きしめる。ジロはキャッキャッと喜んだ。
「よし、じゃあ全員揃ったし、プーナカンへ行こうか!」
「はいっ」
神と人々の祭りは16日。
オランとカコナ、そしてオライヴはジロとキシュという男の子と女の子の家族を増やし、馬車へ乗り込んだ。
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