1138人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
背徳感と罪悪感
重い目蓋を開いた途端
酷い頭の痛みに反射的に片目を閉じた
・・・えっと
二日酔いの使えない頭、必死で回転させ、思い出そうとした記憶は
凄い速さで頭の中に映像になって流れ込んできた
「起きたか」
不意に聞こえた、その声に
背筋に流れてもいない汗を感じる
「逃げようとしたのか」
「・・・」
「俺のもんだって教えたけど」
「・・・」
「フッ、まぁいい」
大きな手が尋常じゃない痛みを生み出す頭を撫でる
思わず目を瞑ってしまうのは慣れた所為だろうか
今回も簡単に見つかってしまった事実に
足掻いて捕まった無様な自分に向けてため息を吐き出した
それでも・・・私は間違っていない
だって
彼には
愛する妻がいるのだから
最初のコメントを投稿しよう!