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春
先輩のことが大好きです。
何でも教えてくれるし、とってもしっかりしているので尊敬しています。
ある春の日、私はまったくの初心者としてお仕事を始めました。
私のお仕事は、みんなの食べ物を作ることです。
といっても、料理をするのではなく、食材を作ると言った方がぴったりくると思います。
私の作った物は、さらに別の物に作り変えられるからです。
私が作る食べ物は、ちょっと不思議。
作るのには、自然の恵みが必要なのです。
食べ物を作るって聞いた時、私はてっきり、部屋の中でお仕事をするのだと思っていました。
しかし、私のお仕事は外でするお仕事でした。
雨が降ったら濡れてしまいます。
強い風が吹いたら飛ばされそうになります。
仕事を始めてすぐは、たくさんの時間をかけても、ほんの少ししか作れませんでした。
他のみんなは、短い時間でたくさん作っています。
なので、どんどんみじめな気持ちになってしまいます。
そんな時、先輩は優しく、こう言ってくれました。
「ずっと同じ、ってことはないですよ。何事も変わり続ける。そのことを忘れてはいけませんよ。あなたも、だんだん成長して、上手にできるようになります」
先輩はそう言ってくれるので、私もいつか、先輩の期待に応えることができるよう、たくさん作れるようになりたいと思います。
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