私の気持ちはバレてはならない

親友のみっこちゃんが結婚する。
相手はわたしがずっと片想いをしていた加賀君だ。
二人とも大好きなの。
幸せになって欲しいの。
それでも選ばれなかった自分が悲しくて
涙が出そうになるのを誤魔化して笑う。
大丈夫。わたしはみっこちゃんほどは加賀君を好きじゃない。
自分を騙すように心で繰り返す。
みっこちゃんに心配はかけたくない。
だからとにかく笑顔を絶やさないようにしなくちゃ。
涙の湖に沈みそうになる程の悲しみを
悟られないように演じなきゃ。
みっこちゃんのウェディングドレス姿は輝いていて、本当に幸せそうだった。
良かったね、みっこちゃん。
正直二人を見ていると辛い。
でも親友の結婚を祝福できないほど子供じゃない。
どうか二人に祝福を。
泣くのはあとでいい。
わたしは二人の門出の日、最高に幸せなふりをする。
結婚おめでとう。
大好きな二人。