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四段目の引き出しと黒い大きな手
「大丈夫ですか!?」
声を掛けると先程と同じで、もうスグ隣に立っていた。
そして開口一番の発言が『もしかしてアタクシの見ました?』だった。
そっと否定をして、何を探して居たのかを尋ねた。
「オホン、コレはコレは失礼遊ばせ、古代魔法(エンシェントスペル)の本を探して居りましたの。見つかったのは良いのですが……」
そう言うと彼女は苦笑いした。
「どうかしたんですか?」
「文字がなにぶん特殊な文字なので、読めないかも……いや、読めるかも、う~ん、やっぱ読めないかも」
(どっちなんだ?)
本を開いて 、浸すら睨めっこしてる彼女に、イラッとしたのが少しと、一体どんな本を読んでるのだろう? と言う好奇心の感情がないまぜになり、思わず彼女から本を奪ってしまった。
「なななっ! 何を! アタクシが理解出来ないのにっ、アナタが読めるとは思えないのですが(驚)」
「すいません、ちょっとだけ静かにして貰えますか!」
「あっ、ハイ……(なんでアタクシがブツブツブツ)」
驚いた! 書かれてる文字はまるで日本語だった……
まあそういう風に見えてるだけなのかもしれない。
しかし、自分にはハッキリと、内容が読み取る事が出来た。
彼女は古代魔法について書かれた本を探していたと言っていたが、之って古代に書かれた恋愛小説に見えるんだけど?
気のせいなのだろうか……文字が日本語には見えるが、間違った解釈で脳に情報が伝わってるとも言いきれない。なので、彼女に恐る恐る確認することにした。
「あのぉ……」
「ハイ、何か?(どうせ読めなかったんでしょブツブツブツ)」
「この本間違ってませんか?」
(さっきからブツくさ言っているみたいだが、無視する事にしよう)
「エッ、どれどれ(アタクシが間違えるはずがブツブツブツ)」
眼を一生懸命細めて本を眺めてるが、文字自体読めてるのかも怪しい(汗)
ふと、彼女のお腹の辺りで何かが揺れていた。
ガラスの様なものが光に反射している。
あれって眼鏡じゃないだろうか?
「あのぉ……」
「いま忙しいのに、何ですか?」
「いえ、ソレを忘れてません?」
僕は彼女のお腹の辺りを指さしてから、自分のお腹の前で両手の親指と人差し指を使ってアルファベットのCの形をすると、それを自分の眼の辺りに持ち上げる様な動作を行った。
すると彼女は気付いたのか?
軽く咳払いをした後、眼鏡らしき物を掛けると、また本を眺め始めた。
すると今度は喉に何か引っ掛かった様に『んっん~』と言うと、スグに"バタン!"と本を閉じ、またさっきの部屋へ戻って行ってしまった。
今度は本棚じゃ無く、机の引き出しを開け始め、『ああでもない、こうでもない』とやり始める。
三段目の引き出しを開けた時、怪物が唸る様な叫び声が一瞬だけ聞こえた!!!!
しかし彼女は、何事も無かったかの様にそのまま閉めると、また、すぐに次の引き出しを開けまた、そして『こうでもない、ああでもない』とやる始末だった。
結局、机の引き出しには何も無かったらしく、今度は本棚の横に有る木製の引き出しを開け始める。
さっきの変な大声が気になったので、引き出しだとしても、ただの引き出しじゃ無いような気がした。
開ける前に大丈夫なのか? 問い掛けると、問題無いと言ったので。
これ以上言うと、またブツブツ言われそうなので、口にチャックすることにした。
しかし、四段目の引き出しを開いた時それは起こった!
大きな黒い手が彼女を掴むと、それは引き出しの中に彼女ごと連れ去ってしまったのだ!?
"バンッ!"
僕はたった今目の前に起こったことし対して、ただ目をパチクリパチクリとすることしか出来なかった。
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