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緑色の知的生命体はおばあさんの前を通り、軽く頭を下げた。
「ぼうや、そんな格好でカゼでもひかないかい?」 おばあさんはルブンに声をかけた。
「大丈夫だよ」
と、ルブンは言って、止まらずに歩きだした。
野球のグランドは誰も使用していないので静だった。その脇の道をルブンはどこに行っていいかわからずに、突っ立ていると、五歳の男の子がまっすぐ走ってきた。右手にはソフトビ製の怪獣のオモチャを持っていた。
ルブンは男の子に近寄った。
「わあ!」
と、男の子はルブンを見て、悲鳴を上げて、手に持っていたおもちゃを投げ捨てた。
「ボク、ルブンだよ。ヨロシクね」
と、ルブンは笑顔であいさつをした。
男の子は顔を真っ青にして、百八十度回った。
「ママ!」
と、叫んで、男の子は走った。
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