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向きを変えると今度こそ、飼育ケースへ。
透明のケースには、ヒーターや隠れ家など、必要なものを揃えてある。
今日のために、お年玉貯金を崩してせっせと買い集めた。
そっと、タッパーを持ち上げる。
中には、黄色に斑点のついたレオパードゲッコーが1匹。
蓋を開けると怯えて4本足を踏ん張っていた。
太めの尾っぽが可愛い。
そっと傾ける。
そろりと降りたレオパードゲッコーは、チョロチョロ動いて回りを確認していた。
「今日から君のパパだよ?よろしくね」
ヒソヒソ声で言うと、一瞬こちらを見てくれた。
2、3日はそっとしておいてあげなきゃね。
じゃあね、と手を振るとそばを離れた。
「お父さん!」
「ん?どうした?」
夕飯を食べ始めたお父さんに言う。
「名前、どっちが良いかな?!」
「お?レオパの名前か」
隣に座って紙を広げた。
覗き込んでくれるお父さん。
「夕ご飯の邪魔しちゃ駄目よ?」
と言いながら、お母さんも覗きに来る。
お母さんはこっちが好き、いやこっちの方が可愛くないか?
3人でワーワー言う。
お兄ちゃんは、今日は大学の実習でいない。
明日、帰ってきたら決まった名前を教えてあげよう。
何て言ってくれるかな?
想像すると、凄く凄く楽しみだった。
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