解禁、僕の願い

4/5
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
「お父さん、おかえり!!」 「涼晴(すずはる)ただいま。今日は特に元気だな」 笑顔のお父さんは僕と目線が合うようにしゃがんだ。お父さんの隣には、茶色の紙袋が置かれている。 「小さくても涼晴と同じ命だ。しっかりお世話するんだぞ。今日から、涼晴はこの子のパパになるんだからな?責任を持って、ちゃんと育ててあげること。分かったか?」 「うん!一生懸命お世話するよ!」 「よし!」 紙袋をそっと渡してくれる。 揺らさないようにそっと覗くと、小さめのタッパーに入った小さな生き物。 すぐに飼育ケースに入れてあげようと逸る気持ちを抑えて動く。 今は怯えてるはずだから、揺らさないようにそっと歩いて。 抜き足差し足で歩いていると、後ろで父さんのクスクス笑う声が聞こえた。 「涼ちゃん、お父さんに言うことあるでしょ?」 笑顔のお母さんが言う。 「あ!忘れてた!」 慎重に振り返ると、お父さんに向き合う。 「お父さん、レオパードゲッコー、買ってくれて、ありがとうございました!!」 「ふふ、どういたしまして」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!