110人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「お店に迷えばいつも私の好きなものでいい、って」
たまには自分の好きなように、自由に決めてくれてもいいのにと思う。
嬉しさに申し訳なさが入り混じる。
無理して合わせてくれる事だけは、どうかしないで欲しかった。
「泉夏が教えてくれる店は外れがない。この通り俺はそういう情報にはいまいち疎いから、凄く助かってるんだ。美味しいところばかりいつもよく探せるなって感心してる」
ゆったりと頭を撫でてくれる手は、いつにも増して心地良かった。
含羞が勝り、普段はなかなか口に出来ないけれど、ちょっぴり気恥ずかしい抱き合いも本当は嫌じゃない。
結構気持ちが良くて、もっとずっとしてて欲しかったりもする。
ぎゅっと抱き締めてくれる腕も。
髪を幾度も梳いてくれる指も。
未だにどきどきせずにはいられないキスも。
彼が自分にしてくれる大好きな事全部を一遍にされて、次第に脳が蕩けてゆく。
最初のコメントを投稿しよう!