妻の不倫発覚

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   何を今更……こうなった以上、報告しない訳にはいかない。 「僕、知り合いに弁護士がいるんです。……このことは弁護士に相談させていただきますので、覚悟してください」 「そんな……」    隼斗さんの顔は青ざめていた。 「里織、僕は君のことを許さないよ。どれだけ謝られても、僕は一生君を許さない」     僕を裏切ったのだから、そのくらいの覚悟をしておいてくれ。 「大輝……ごめんなさい。ごめんなさい……」 「泣かれても困る。僕を裏切ったのは君だろ?……妻がこんな男と不倫してたなんて近所に知られたら、僕も困るんだよ」  僕は教師として、生徒に色んなことを教えてきた。その中には、こういう恋愛のいざこざみたいなのもあった。  そのたびに僕は心が痛くなって、辛いと感じた。 「里織が不倫してたことは、近所の人にバレないように振る舞っておく。……でも里織、僕はもう君と夫婦でいられないかもしれない」  僕は里織が思う以上に心が傷付いた。とても辛くて、泣きたいのは僕の方だ。  不倫してたくせに泣きついてくるなんて、虫が良すぎる。 僕の気持ちなんて、分からないだろう。 「大輝……本当にごめん。 でも私、寂しかったの……」
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