⑬げんきを出して◯

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「んで、落合に告白したらフラれた」  サラリとバラされて、俺は飲んでいたウーロン茶をブーっと噴き出した。 「ど、どういうことですか!? ガックン? ちょっ、告白って!?」 「ああ、勝手に俺が惚れただけだ。良いやつだなって思ってさ。ダメなら仕方がない、これからは良い友人だ」  信じられないと顔を上げられなくて手で覆った。  素直な人なのだろうが、まさか友人二人の前でバラされると思わなかった。 「びっくりした。そんなことになっているなんて……」 「別にいいだろう。学生同士の恋愛なんて、そんな珍しいモンじゃない。お前らだって、付き合っているんだろ?」 「そ……、そうですけど、兵藤さんは、肉食系で……」 「あーあー、そういう固定観念は好きじゃねーんだわ。力加減が違うのは分かるが、とっくにヒト化した文明で、いつまでもこだわってたって仕方がないだろう。上の連中が築いてきた悪習に俺らが習う必要はない! ……といってもフラれちゃったし、他の可愛い子を探すわ」  まるで宇宙人でも見ているかのように、ルイもマサもポカンと口を開けて話を聞いていた。  兵藤みたいな人と付き合ったら、悩まされることはあっても、逞しく生きていけそうだと少しだけそんな想像をしてしまった。 「んで? ガックンは気になる人と上手くいったのか?」  またまた爆弾を落とされて唸るしかなかった。  何でもかんでもペラペラと喋ってくれる男である。  前言撤回、口が軽すぎる!  付き合ったらダメなタイプだ。 「ちょっ、好きな人いるの? なんで教えてくれないのさ」  案の定、ルイが食いついてきて、俺の腕を揺さぶった。  ここで上手くごまかして、芸能人の名前でも出せたならよかったが、そこまで考える元気がなかった。  自分の気持ちに自覚したはいいが、亜蘭とのあり過ぎる心の距離に心はすっかり萎んでいた。
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