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「言わないでね本間君に」
申し訳無さそうに、沈んだ彼女の声に
「判ってる。なんとか誤魔化してみるよ」
オレも残念そうに答えた。
「また何人かには、少しずつ声はかけてみるけど」
と言ってくれたので
「そうだな、たのむ」
と手を合わせた。
本間には、取り敢えず
「３人くらいに声をかけてくれたんだけど、みんな彼氏居るんだって」
とウソで誤魔化した。
「そうか…」
彼は露骨にガックリ肩を落とした。
オレも申し訳無く感じた。
ただ、将来、この本間は、彼の勤め先の女性と、１年ほど付き合って、27で結婚する。
今は言えないが。
「また、マリカには声かけてもらうし、オレら中３なんだから、まだまだチャンスはあるって」
と、慰めるしか無かった。
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