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この年の夏休みは、人生で1番充実して満ち足りた連休になった。 昔なら、ほとんど本間とツルみ、繁華街をブラブラしたり、何人かと野球して遊んだりして過ごしていた。 本間との付き合いは少なくなったが、それでも親友同志なので、関村に断り、本間と遊ぶ日も作った。 なので本間には、関村と付き合いだしたと言うことは隠さず話した。 すると 「ヤッパそうだろ?だと思ったんだよなぁ〜、2人、イイ雰囲気だもんよ〜」 本間は羨ましそうに 「オレだって彼女ほしいわ。関村のツレとか紹介してくんないかなぁ」 と言った。 「そうだな、アイツに言っとくよ」 オレは軽くOKした。やはり本間にも彼女、作ってもらいたい。 そのことをマリカに告げると(もうお互い、マリカ、ゆうと呼び合っている。2人の時だけだが) 「本間君ね〜、そうだね、ゆう、本間君とは大親友だもんね。判った。誰か、声かけてみるね」 と言ってくれた。 数日後… 「あのね…マミに一応話ししたんだけど…」 マミと言うのは上戸マミと言って、クラスは違うが同級生で、マリカの親友である。 オレは 「上戸は何だって?」 と、期待して訊ねた。 「本間君には言わないでよ」 と言いにくそうに 「大笑いされちゃった。本間君は絶対ナイナイって」 「マジ!」 オレはガックリ肩を落とした。 ダメだとは言えても、この内容は伝えられない。 「上戸だけ?言ったの。他は?」 「声はかけたよ。智美と里美に……でも似たような反応」 彼女はためらいがちに首を振った。 「似たような反応って…」 そこまで本間を否定しなくてもイイだろうと、オレは表情を曇らせた。
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