紅葉のしおり

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ザァッ、ザァッ  竹箒がアスファルトを擦る音がする。 「あー……めんどくさ」  思わず愚痴がこぼれた。  秋になると美化委員の活動が盛んになる。  その理由は掃いても掃いても、なくならない落ち葉。  あっという間にたまっていく。 「落ち葉掃除してくれるロボットとか、ないのかなあ」  世の中色々、便利なものが増えている。  学校なんて敷地も広いんだし、さっさと機械化すればいいのに。 「愚痴ってないで、手、動かせよ。その方が早く終わる」  コツンと頭を小突かれた。 「伊村先輩、暴力反対」  私は頭をさすりながら、先輩の方をみた。 「何が暴力だ。大袈裟すぎるだろ」  先輩は私より頭一つくらい背が高い。  自然と見上げる形になる。  真っ青な空に、鮮やかな黄色。 「見る分には綺麗なんですけどね」
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