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那珂川と勉強会を始めるようになって、それまで灰色だった学校生活に、初めて色がついた。
毎日クラスでは誰とも話さないけれど、放課後は那珂川と会える。だからこそ、今もはやく図書館に行きたい気持ちでいっぱいだった。
とはいえ、非力な蒼多にとって、プリントが多く貼られた三十人分のノートを持ち運ぶのは楽ではない。まして、勉強道具をぎっしりと詰め込んだリュックを背負っているからなおさらだ。蒼多は肩に力を入れながら、身体が根を上げる前にと、急いで廊下を突き進んだ。階段の踊り場にたどり着き、手すりにノートを支えるように預けて、疲労が広がる手の位置を直す。
「おい」
後ろからざらついた声がして、びくんと肩が跳ねた。急いで振り返ると、同じクラスの三芳京也とその取り巻き二人が立っていた。
「み、三芳くん。どうしたの?」
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