スラブ娘の別れ

「残念ながら、今回も妊娠を確認出来ませんでした。」
検査機器のモニターから視線を外さず、医師は溜息をついた。
「新しい療法を用いた結果がこれでは…もう、現実を受け入れる時でしょう。奥さん、子供を持つばかりが夫婦の幸せではないのでは？」
他人は無責任だ。私は一般論に興味がない。
ただ一つ明らかなのは…私たちの未来が閉ざされつつあるということだ。だが、今は何も考えたくはない。
私も、黙って目を逸らした。