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ウチには四つ上の世話係がついている。 中学生だったウチは世話係というものがよく分かっておらず、まぁ言うこと聞くように調教してやろうという気持ちで、当時高校生だったその男を跪かせ、ニヤリと笑って言い放ったのだ。 「アンタ今日からあたしの犬ね」 中二病だったんだと思う。 ウチ、中二病だったんだと思う。 「わ、わんっ」 そいつはそんな返事を返して、なぜかキラキラとした瞳を向けて来た。 それが、何かに失敗したのだと気付くのに時間はかからなかった。 大学に入り、二十歳になり、すっかり大人になったつもりでいたウチは、生意気加減なんて変える気にもならない。 今日も清楚系なヒラヒラワンピースを身にまとって、そして世話係を引き連れて……っといっても、アイツは勝手にウチに付いてきているのだけれど。 公認ストーカーなのでアレは仕方がない。
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