落月屋梁の想い

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 放課後。  学校の最寄り駅から一駅離れた喫茶店で、僕は味のしないカフェオレを飲んでいた。なぜなら向かいに座る皆川さんの表情は愉快とは言い難く、とても居心地が悪いためだ。  店内のBGMが陽気なメロディを奏でても、気分は晴れやかにならない。  座席を選ぶ際、わざわざ奥のボックス席を選んだのは、同じ学校の生徒に目撃されて、あらぬ噂を立てられないようにするためだろう。けれども、それはきっと無用な心配でしかない。僕らを逢い引きしているカップルだなんて思う人はいないだろうから。  それぐらい、皆川さんからは怒りのオーラが溢れている。  彼女に呼びだされた理由は、おおよその察しがつく。僕からしてみれば、いい迷惑でしかないのだけど。ただまあ、僕は僕で彼女に伝えなければならないことがあった。  僕は無言のまま、皆川さんの唇が封切られるのを待った。下手に先手を打ち、火に油を注ぐなんてことは、僕としてもごめんこうむりたい。  僕の待ちプレイに痺れを切らしたのか、皆川さんは、とうとう口を開いた。 「どうして渚と別れたの?」  鋭い眼光を向けながら、皆川さんが問い詰めてくる。単刀直入であった。
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