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料理男子に遭遇
俺は成瀬 皐月25歳
食べることにほとんどといっていいくらい興味がない、実家にいるときは朝食も夕食もテーブルに着きさえすれば母の作った食事が出てきたし、昼は母の作った弁当を当然のように食べた。
ごく当たり前にそうして生きてきた・・・・・至極当然の事だと思っている。
だが今は大学を出て一人暮らしを始めてテーブルに付いても食事が出てくることはなく・・・・・朝はまだしも昼は職場の近くか社食かコンビニ弁当、晩御飯は近所の定食屋かコンビニ弁当・・・・・・それはそれで仕方がないと諦めている。
自分で作ると言う選択は全くない・・・・・というか作れない。
ごはんも炊けない味噌汁なんて以ての外・・・・・カレーとか冷凍食品の類ならチンすればできる。
ラーメンはお湯をかければいい・・・・・・毎日の食事がそんな感じでそれを不便とも何とも思っていない。
今夜は金曜日、明日とあさっての朝食用に近所のスーパーでパンとインスタントコーヒー、ちぎりレタスの小袋2袋、ハム、ゆで卵用の卵6個入り、バターとジャムを購入・・・・・・・
これで明日と明後日、ゆっくり起きて朝昼兼用の食事を済ませ晩御飯はいつもの定食屋へ行けばいい。
かごを持って店内をうろついていると同じようにスーツを着たサラリーマンらしき男がカートを押して買い物をしていた。
カートの中には様々な食材が入っていた・・・・・・肉や魚・野菜も盛りだくさんだ。
最近は料理男子がもてはやされている・・・・・あいつもきっとそうゆう男だろうと顔を見る、意外にイケメンでしかも自分より若干背も高い・・・・・女がほっとかないタイプの男だった。
あれで料理ができるって最強だよなと男の顔をじっと見た。
時間にして数秒見ていた・・・・・・その時その男が気配を感じてこっちを見た・・・・・目が合った。
目が合った瞬間そいつがにっこり笑った・・・・・・おれ?おれ見て笑った?・・・・・俺も咄嗟ににっこり。
一体あれは何だったのか・・・・・・・あのにっこりは何だったのか・・・・・・綺麗な笑顔とはああゆうのだろうと思えるほどのいい笑顔を向けられて何故だか嬉しかった。
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