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「莉々、おはよーん!」 そう言って後ろから飛びついてきたのは、三浦莉子だ。 「莉子、重いよ?!」 「ふふっ 今日も可愛いわね、莉々」 「もう、早く下りて」 「うふっ 仕方ないなぁー」 莉子は残念そうに背中から離れると、捺芽が羨ましそうにしていた。 「莉子さん、それ狡い」 「女子同士なんだから、当然」 「莉子、何か元気いっぱいだね?」 「うふっ わかっちゃった?」 「どうしたの?」 「実はね? 神門くんと付き合う事になったのよ」 「え? 神門って…」 「神門陽風くんよ? 莉々、図書委員一緒だったでしょ?」 「あ、そうだった」 「莉子ちゃんから告白したの?」 「ううん? 勿論、向こうからよ」 「へぇー 図書王子は莉子ちゃんがタイプだったのか」 「ふふっ 今日からお昼一緒するの」 「莉々は俺と食べるし問題ないよ?」 「嫌、僕と食べるよね?」 「…えっと」 莉々がどうするか迷っていると、莉子が機転を利かせてこう告げる。 「捺芽くん、莉々と日直でしょ? 日誌取りに行かないとじゃない?」 「あ、そうじゃん? 莉々行こっか」 「あ、うん? 莉子後でね」 「はぁーい」 莉子の機転で捺芽と莉々を逃してしまった佐月は、詰まらないっと言った顔をしていた。 「残念だったわね、滝くん?」 「莉々ちゃんに近づくのダメな訳?」 「莉々が振られちゃう理由は、モテすぎるからよ? だから本命が出来ないの」 「本気なら良いんだね?」 「あら? 本気だったの?」 「勿論、本気だよ?」 「ふぅん? 見た目はチャラいけど、中身は紳士なの?」 「悪い? 俺だって元々真面目だよ」 「あっそ?」 莉子は関心なさげにそう告げると、佐月はまたムッと拗ねていた。
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