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ノートに書かれた計算式は(42÷2)×6×3×5%=18.9
(約20人か……)
彰人の通う中学の1クラスの生徒数は42人。
その内の半数が女子で、それに掛けるクラス数と学年数。
そして、最期の数字は一般的に言われるゲイの割合だ。
授業中だというのに市原彰人は他ごとに頭を使っていた。
でも……まぁ……社会科教師はただ教科書に添って授業を進めるタイプ。
聞き逃して後悔するような話はしない。
今だって……
1192作ろう鎌倉幕府。
頼朝が征夷大将軍に任じられたのは建久3年7月12日。
教科に書いてある。
そして再び彰人の頭に21×0.05=1,05
暗算で出した答えは……
クラスでゲイは彰人、1人。
何度計算したところでお仲間がクラスにいる確率は低い。
そして授業終了のチャイム。
次の時間割は体育。
彰人にとっては至福の時間だ。
体育の時間は男女が別々に、隣のクラスと合同で授業を行う。
隣のクラスの曽根崎学の顔が見れるのだ。
彰人は曾根崎に恋心を抱いているかは分からない。
けれども、曾根崎を見るとペニスが反応してしまう。
最初に反応したの6月。
彰人が手洗いに廊下を歩いていると、曾根崎は掲示板に何やら張り紙をしていた。
夏の制服か袖口から脇毛が見えて鼓動が高鳴る。
エロい。
急に曾根崎から大人の男に匂い感じる。
彰人は体毛が薄く、まだ上も下も生えていないので、尚のことだ。
そして、その晩、彰人はパンツの中が濡れそぼり夜中に目覚めた。
保険体育で習った精通だ。
それから、彰人は着替えている学を覗き見するようになった。
目に焼き付けて家に持ち帰る。
勿論、オナニーをするためだ。
こればかりは……
覚え立ての快楽は罪悪感を凌駕して、ままならない。
隣のクラスの男子も彰人達のクラスで着替えるシステムは本当に嬉しい限り。
特に今日は直ぐ横で着替えている。
曽根崎は中学生にしては固太りで体格がいい。
そして、面構えは厳つい。
けれども、内面は気が優しいらしく、且つ、文武両道。
女子には人気があるようだ。
「あれ……ノート出しっぱなしじゃないか」
肩を向けていた曾根崎が彰人の方に向き直った。
「あぁ、あぁ……ありがとう僕のだから……」
彰人はドキッとして声が上擦ってしまう。
すると曽根崎が彰人のノートを捲り出す。
彰人には拙い展開に思われる。
しかしながら、計算式は彰人にしか分からない。
見られたところで問題は無いだろう。
それよりも曾根崎は着替えの途中で上半身が裸のままだ。
乳首から視線が外せない。
「俺も、この計算式をノートの書いてる……」
曾根崎の口から思いがけない言葉が漏れた。
口元が少し綻んでいる。
彰人は心の中で呟いた。
(これからもよろしく……)
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