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わたしは重い体を起こして、水を飲みに行った。
冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを出して、グラスに注ぐ。
ソファーに腰かけて窓のブラインドを少し上げると、車窓の外は白銀の世界だった。
「綺麗……」
真冬の森。
夜中降っていた雪はもうやんでいた。木々の枝から音もなく雪が落ちる。
やがて、朝日が世界を照らした。
白く輝く朝。
夜は朝になり、朝は夜になる。冬は春になり、夏になり秋になり、また次の冬が来る。
彼と一緒なら、暗い夜も寒い冬も、過ぎていく時間だって愛おしい。
「結菜……?」
寝ぼけているのか、伊織さんが手を伸ばしてベッドの片側を探っている。
「ここにいるわ」
わたしはベッドに戻って、伊織さんのあたたかい腕の中にもぐり込んだ。
* The End *
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