1. 初めてのうしろ

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「別にふつうだ。…午後は久瀬の家を訪問して、雪夜さんお手製のぜんざいを頂いた」 「すげー美味しい仕事じゃん。俺、不動産屋寄ったあと、ここで寝てたから食ってねぇ」 ふ、と夕聖が笑う。 「また山に籠り中なんだと思ったから、まさかウチに来てるとは思わなかった」 「へえ? なんだ、じゃあこれは俺に会えたのが嬉しくて抱きついてんの?」 図星だったようで、身じろぎした夕聖の耳が赤くなった。 「そういうこと聞くなよ」 「そんなに俺に会いたいなら、家建つまで俺の部屋でも客間でも引っ越して来ればいいのによ」 そうしたら雨瑠も山から下りたらすぐに会える。 「できるか、ばか」 ガバッと夕聖が顔を上げた。 「そうだ、それに思い出した。言っておくけどな、おまえがまた食べなくなるのが心配でたまに客間に泊めてもらってるけど、そのたびに夜這いかけるのはやめろ。叩き出したあと、雪夜さんと顔合わせるのがどれだけ気まずいと思ってるんだ」
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